プロダクトアウトの末路
by 中村 仁 / 2013.08.01
FROM:中村 仁
大阪の自宅より・・・
「このアイデアはいける。きっと需要あるよ。いい商品だし。新規事業としてやってみよう」
起業家はアイデアマンであることが多いので、こんなことをよく考えがちです。しかし、こんな考えで新規事業を立ち上げると、失敗することが多いようです。私の周りにもいました。「きっと需要あるよ」この「きっと」が曲者です。
そもそも誰に聞いたのでしょうか?
商品ありきで考え、いい商品だから売れるだろうという考え方をプロダクトアウトと言います。分かり易いように、相当ザクッと説明しました。大企業や、そこそこの中小規模の会社であれば市場調査をしたり、フォーカスなんとか・・・なんでしたっけ?グループ?ダンキンドーナツが、コーヒーとドーナツ片手に消費者さん集めて話合うあれです。
このようなことをできれば、新規事業に対する需要を調査したりすることもできるのでしょうが、年商1,000万や3,000万レベルを目指す人は一人で事業をやっているかせいぜい数人です。そもそも無理があります。にもかからわず、プロダクトアウトの考え方が抜けないと、最悪の結末になりかねません。
日本という国の性質かもしれませんが、この考え方を持っている方は非常に多いように思います。我々がもつべきマインドはプロダクトインの考え方です。お金がなければ、立ち上げ前にテストしてみたらいい。私がよく肝に銘じている言葉があります。
「準備している間に、商品は売れたのか?」
私の好きなダン・ケネディやマイケルマスターソンの言葉を借りれば、「構え、打て、狙え」と同じ意味です。たとえば、南米産の宝石で珍しいアクセサリーを売る権利を得たとしましょう。あなたなら、これを売るためにまず何をしますか?
店舗探し?
会社カタログ作り?
法人化手続き?
登記?
会社宣伝用のビデオ作り?
ロゴ?
などなど・・・・
プロダクトアウトの弊害です。とても良い商品だから、環境を作ってあげるだけで売れるのでしょうか?答えは×です。
重要なことは、まず売ることです。必要なことは、マーケティング・セールスのみ。
たとえば、
フリーマーケットに出かけて、大声張り上げて売ってみるとか、上手くいったら、今度はターゲットが同じで、かつ競合にならないビジネスをしている方にお願いして、商品を店においてもらい、
売れた分からマージンをお支払するなどの方法をとることです。常にマーケットに聞くこと。需要があるなら進めること。
その上で、需要がなければリスクの少ない段階で撤退すること。撤退は失敗ではありません。テスト結果です。新規事業にあり金全部費やしました。でも、上手くいきませんでした。そんなことにならないよう、プロダクトインの考えを持つことは大事だと思うのですが、いかがでしょうか?
今日もビジネスを楽しみましょう。