裏切ったな
by 中村 仁 / 2013.08.06
FROM:中村 仁
大阪の自宅より
最近、実家で夕食を食べることが多く、たいていテレビを見ながらです。(数十分程度ですが、これだと自宅のテレビを捨てた意味がない)昨日も歌番組がやっていたので見ていました。アイドルがソロで出演していて、(後輩アイドルをバックダンサーで連れていました)
「ソロもやっているんだー」と思いながら見ていたところ、
「うわぁ・・・なんだこれっ」
思わず声を上げて、見入っちゃいました。それはソロ曲にもかかわらず、バックダンサーがメインでカメラに映っており、本来メインであるはずのアイドルが後ろの方にいて声だけが聞こえていた状態だったからです。最初から最後まで、その状態が続いていてあまりにびっくりしすぎて、画面にくぎ付けでした。
そして、それが偶然ではなかったと知ったのは数時間後のことです。コピーを書く仕事をやっていると、見ている人の注意を惹くことがいかに重要で難しいことか実感します。現代の人の多くは、パソコンをしながら、スカイプしたりあるいは、メールボックスを見たりマルチタスク状態で注意が散漫になっているからです。
また、コピーを見せるところまで注意を惹くことができても、「またこれか」と言われるようなコピーが氾濫しているため、なかなか注意を持続させることが難しくなっています。(ちなみに、楽してあなたも儲かります的なコピーです)
注意を惹き続けることができればコピーの役割の半分は達成したも同然です。しかし、一番難しいところでもあります。上手く注意を惹くコツは、ターゲットが思い込んでいることや信じていることの逆のことを言うことです。
これができれば、広告を見たターゲットは、思わず「えっ」となってしまうことでしょう。冒頭であげたアイドルの例は、典型的でした。ソロシンガーはメインでカメラを向けられるのが当然であるという前提を我々は抱いています。もしそうでなければ放送事故だからです。
にもかかわらず、今回は意図的に、本来のメインをカメラに映さず、歌っていないバックダンサーがメインで取り上げていました。私たちが普段から抱いている思い込みを裏切られたため、注意を惹きつけれてしまったわけです。ここから学べる重要なことは、自分の見込み顧客の特性を知るということです。
見込み客が普段から思い込んでいること、信じているものこれを知れば知るほど、その逆をいくことで、注意を惹くコピーを書くことができ成約率の高いコピーを書くことができるのです。
P.S
さすが秋元康さんです。すごいな。今日もビジネスを楽しみましょう。