あなたに、AKBのマネができますか?
by 中村 仁 / 2013.07.19
FROM:中村 仁
八尾のサンマルクカフェより・・・
近況報告でもお伝えした通り、週末AKB総選挙を楽しんでいました。
仕事柄、どうしても、マーケティングの観点で見てしまう癖があります。
しっかりとマーケティングを行ってきた人が上位にランクインすることが多いため、
マーケッターの私としては、毎年非常に興味深いイベントなのです。
ちなみに、1位とか上位の人には全く興味がありませんよ。
私が面白いと思うのは、
運営からプッシュされていないのに、ファンに後押しされ下位からランクアップしてくる人たちです。
彼女たちが普段無意識に行っているマーケティングに非常にワクワクさせられます。ビジネスでも役に立つところが多々あるんですよ。
今日は、先の総選挙で16位にランクインしみごと選抜を勝ち取った須田亜香里さんを例に挙げてみますね。
たかがアイドルと侮るなかれ!
われわれがやりたいと思っているのに、できていないことを彼女はきっちりと行っています。
見習うところ、いっぱいありますよ。
須田さんは名古屋を拠点とするSKE48に所属しています。彼女の主な仕事はこんな感じ。
・握手会
・劇場公演
・TV・ラジオなどメディアへの露出
彼女はファン(あなたの場合お客様)を増やすため、情報発信ツールを使っています。
・アメブロ
・Googleプラス
・SKE公式ブログ
・SKEモバイルメール
上記4媒体ほぼ日刊で配信します。
運営から強制されてやっているわけではなく、仕事の合間や仕事が終わってから自主的に記事を書いているのです。
ちなみに、アメブロには、毎回500前後のコメントがつきます。
日常的に情報発信ツールを使って、見込み客との関係性を構築しているわけですね。
コンテンツの内容は、
彼女が伝えたい内容はもちろんですが、ブログへのコメントや握手会の現場でファンの声を聞きながら決めているそうです。
マーケティングでいうと、マーケットインの考え方ですね。
素晴らしい商品ができたから、絶対売れるだろうと考えるプロダクトアウトの考え方とは違います。(笑)
どちらの方がリスクが少なく、ファンを作っていけるか言うまでもありません。
ファンとの関係性が一定の段階を超えると、見込み客は握手会や公演に参加してくれます。
彼女の凄さはここから!アイドルの提供するサービスの一つが握手会です。一見、握手なんて誰がやっても同じように思えますよね?
世の中に出回っている商品の大半と同じです。では、どうやって差別化を図っているのでしょうか?
彼女は「名古屋握手会の女王」と異名をとっています。
一人が握手できる時間はたったの10秒。
彼女は握手会を「デート」と名付け、単なる握手という商品に体験価値を付加して提供しているのです。
アイドルと握手ではなく、デートできるのなら参加したいと考える人はぐっと増えますよね?
別の例ですが、
単なるメガネは5,000円以上の単価になると売れなくなります。でも、もてメガネとなると20,000円でも買い手がいます。
メガネをかけることでモテるようになるという体験価値を売っているからです。
原価は両方同じようなものなのにですよ。
1人約10秒の握手を1日7.5~9時間 彼女はずっと笑顔を崩さず続けます。
若手はここでダウンするそうです。体力的に9時間も続けられないからです。
彼女の仕事はこれだけではありません。
リピーターに関しては、さらなるサービスを提供します。
普段からB5版ノートにファンの特徴や名前を書いて覚え、2012年5月現在、ノートは4冊を超え常備携帯しているそうです。(Wikipedia参照)
ファンにとって、名前を憶えてもらえることほど嬉しいことはありませんよね?
顧客が商品・サービスをリピートしない理由の6割は相手のことを忘れているからだそうです。
これもダン・ケネディの言葉です。
さて、握手会が終わると、参加してくれた方へのフォローと同時に参加できなかった方へブログを書きます。
私が驚いたのがこれです。握手会の写真を何枚も載せ、参加したときの楽しいイメージを伝えているのです。
毎日ブログを見ていても、握手会まで足を運ぶ人は多くありません。
いろいろな理由があると思いますが、一番は参加することに対する不安でしょう。
あなたの見込み客も同じことを考えているのではありませんか?
▽お店に行ってぼったくられる心配はないだろうか?
▽本当にサービスに効果があるのか?
▽誰が施術してくれるのか?
▽自分の選択は正しいのか?
見込み客は、常にあなたに対して不安を抱えています。
ウェブサイトやブログなどでしかあなたに関する情報が得られないのです。
サービスの写真が豊富にあれば、参加へのハードルが下がりますよね?
彼女の場合も同じこと。結果として、次の握手会では参加する人数が増えるわけです。これが1年間、ほぼ毎週続きます。
新規顧客が増えてリピートが増加するといったいどうなるのか?
彼女の総選挙の順位は、このような推移を経ています。
第1回:不参加
↓
第2回:圏外
↓
第3回:36位(5343票)ネクストガールズ入り
↓
第4回:29位(11323票)アンダーガールズ入り
↓
第5回:16位(43252票)選抜入り
恐ろしいほど、顧客を増加させているのがわかります。
あなたは上得意客を選びだし、彼らに向けた特別なサービスを行っていますか?、
マルチメディアを駆使し、既存顧客や新規顧客に向けて毎日情報発信し関係構築をしていますか?
情報発信の必要がないような職業の方には、今回の話は関係ないかもしれません。
でも、ほとんどの人は、情報発信や既存顧客へのアプローチの必要性は感じている。
でも、こんな理由でできていないのではないでしょうか?
▽「ネットに詳しくないから」
▽「忙しくて時間がない」
▽「億劫で」
トップアイドルの睡眠時間は、2~4時間程度だそうです。
10代後半~20代前半の女の子がやっていて、われわれが忙しいという言い訳をしている。
さて、あなたはこの状況をどのように考えますか?
P.S
メインコンテンツでは須田亜香里さんをフューチャーしましたが、
私の推しは松井玲奈さんです。
今回7位に入りました。
おめでたい。
テレビだろうがなんだろうが、
どんな素材でも学べることを再確認できました。