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『えんぴつ削り』が欲しくてたまらない

by 中村 仁 / 2013.05.05

FROM:中村 仁
八尾のスタバより・・・

昨夜、実家の片づけを手伝ってきました。とりあえず昔使っていた寝室を掃除しようと、
螺旋階段を上り、すでに物置と化している部屋に入ったのです。

するとまぁ、なんということでしょう?

ガラクタでいっぱい。(泣)さっそく掃除に取り掛かりました。開始直後こそスムーズに進んだのですが、途中から思い出の品が出るわ出るわ。

最終的に、思い出の品に見入ってしまい、完全に手が止まってしまいました。
そんな中、懐かしいものを見つけましたよ。
これっ、見てください。

なんだかわかりますか?すべて鉛筆削りなのです。結構オシャレだと思いません?20年近く前に、母が集めていたものです。(2年かけて)「こんなに集めて何が面白いのだろうか?」当時、母に何度も質問しました。

母は、『初めは、全部集めるつもりはなかったんだけどね。なんか集めないと悪いような気がして。毎月、スペースに鉛筆削りが埋まるたびに嬉しくなるのよ。お客さんが自宅に来て、褒めてくれると毎月届くのが待ち遠しくなってね。ほらっ、自慢できるでしょ』

私には全く理解できませんでした。しかし、今ならわかります。

 

ものを集めたくなる心理トリガー・・・

 

母も初めから、2年も買い続けるつもりはなかったようです。しかし、結果として集め続けてしまいました。原因はなんでしょう?相手の心を動かす心理トリガーの一つ、『収集欲』です。

収集欲は、人間が先天的に持っているものです。典型的なのは、コイン・プラモデル・切手集めの類ですよね?他にも、時計好きな人は、時計を複数購入しますし、車にも同じことが言えます。

昨日もコンビニで、AKB48の缶コーヒーを見かけました。一缶に一人、メンバーの顔がプリントされているのです。「全員集めないと」・・・きっとヲタの方は、このように感じてしまうことでしょう。すべて収集欲です。

母の場合、収集欲が顕在化したのは、あることがきっかけでした。初回購入時、鉛筆削りと一緒に、商品を収める枠を無料でもらったのが原因のようです。収集欲だけでなく、返報性の原理も働いたのでしょう。しばらく購入することを決めたそうです。

ある程度の数が集まってくると、また変化が起き始めます。オシャレな展示品が増えるわけですから、人に見せたくなりますよね?母は、自宅で洋裁の仕事をしていることもあり、毎日お客さんと会う機会がありました。

お客さんが鉛筆削りを見ると、話題にしてくれ褒めてくれることが何度もあったそうです。そうすると、人気者になりたい(人から褒められることも含む)という欲が出てきます。人間が持っている根源的欲求は止められません。結局24か月かけて、すべて集めてしまったわけです。

さて、あなたのビジネスに収集欲をどう活かすことができるでしょうか?
お客様には必ず潜在的な収集欲求があるはずです。

たとえば、ディアゴスティーニは、初月にお得な特典をつけます。また、ニュースレターを発行しているところは、初月にバインダーを送ります。共に収集心に火をつけるスイッチです。単なる親切心でやっているわけではありませんよ。

うまく活用できれば、継続課金のビジネスモデルを作るきっかけになるかもしれませんね。

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