空中楼閣起業では100%失敗する
by 中村 仁 / 2018.01.06
今日は、自社と他社とマーケットについて言語化を試みていました。
少し例を上げると、2017年、2016年、2015年、それぞれの売上上位トップ10の顧客を洗い出し、彼らのお悩みごとを書き出していました。
他にも競合調査については、1社につき1シートを使って大胆に書き出しています。
もちろん、自社の商品もすべて洗い出します。
わかったつもりではなく、言語化して明確化されると見えて来るものがありますね。
「あー、なるほど。こういう傾向があったのね」とわかれば、新しいことに心を奪われることがなくなります。
「収益に寄与した方法をどのようにすれば再現性を持たせられるだろうか?」という自問自答ができれば、大きくビジネスを飛躍させられることでしょう。
年に1,000回近くのコンサルティングを何年もやっていると、ビジネス上の悲劇に遭遇したクライアントに出会うことがあります。
私も悲劇には何度も遭遇したことがあります。
私や彼ら悲劇のヒーロー(ヒロイン)に共通するのは、現状を把握せず、現状に対処しなかったことが原因です。
半藤一利さんの『昭和史』を見ていると、良い例がありました。
私なりにまとめて見ると、1945年4月5日、日ソ中立条約が翌年期限切れとなるため、ソ連は条約を破棄して延長しない旨日本側に通達してきました。
ソ連が満州に攻め込んで来ることは4月の時点でもう目に見えていたわけです。
でも、日本は現状を理解せず、目を背け何もしなかった。
「攻め込まれたくない、今こられるとこまる」
↓
「いや、攻めてこない」
↓
「大丈夫、ソ連は最後まで中立を守ってくれる」
↓
「起こっては困ることは起こらないんだ」
最後はまさに思考停止ですね。
結局、8月9日に、満州に攻めてきました。
たしか1週間ほどで、8万人が亡くなったはずです。
ビジネスの現場も、戦場に例えられることがあります。比喩ですけどね。
血の飛び散るビジネスの戦場に丸腰で突撃するわけにもいかないでしょう。
よって立つ武器も必要だし、敵(味方)が誰なのか?どこにいるのか?も把握する必要があります。
現状を把握せず、抽象的な観念論に拘泥し、具体的な理性的方法をとらずに生き残れるはずがありません。
過去の私もそうでしたが、頭の中だけで組み立てた計画に基づいた起業は、空中楼閣と同じです。
土台がないので崩れます。
成果を収めたいのであれば、徹底した情報収集をすることで、現状を確認し、逃げることなく現状に対処することです。
その結果として、しっかりと顧客に価値貢献できれば、その対価として十分なお金を稼ぐこともできるでしょう。
望み通りのライフスタイルを実現して、ビジネスと人生のコントロール感を失わないようになることもできるはずです。
「起こっては困ることは起こらないんだ」
↓
「起こっては困るから、起こらないように対策をしよう」
と思考を転換し、自社に他社にマーケットにと徹底して調べてみてください。
見えて来るものがあるはずです。