なぜ、トップコンサルタントは瞬時に役割を変化させるのか?
by 中村 仁 / 2017.08.10
■「中村さんね。教えないコンサルとかありえないよ」
先日、大阪のある居酒屋で、知人の士業の方と酒を酌み交わしていた際に言われた言葉です。
「ほうほう、これはメルマガネタになるかもしれない」
■居酒屋の店員から見たら、私は目をキラキラさせて興味津々の様子だったことでしょう。
士業の彼を仮にAさんとしましょう。
Aさんは言います。
A:
「だってね。ありえないでしょう?私はコンサルタントから専門家としての知恵を借りたいんですよ。
たとえば、今だって○○という課題が自社にあって、そのために△△が足りないわけ。
△△があれば、これまで到達できなかった領域にたどり着いて売上げもあがるわけですよ。
だから△△に関する知見を持っている□□なコンサルタントに知見を聞きたいわけ。
ね。教えないとかありえないわけですよ。専門的な知識を聞きたいわけだから。」
■さて、あなたはこれを聞いてどう思いますか?
私がお伝えしている着眼点型コンサルティング(通称:教えないコンサルティング)は、
私ならいくつか質問をしていき、上記のような話が本当であると確信できたなら、早い段階で通常と違う役割をとるでしょう。
コンサルタントは、クライアントの状況によって役割が変わることがあります。
教えないコンサルティングでは、最初、
医者が問診するような感じではあるんですが、医者ー患者の関係よりももう少し患者に深く関わってもらうイメー
真の課題発見に関しては、対等に近い関係でコーチングの技術を使いながら、じっくりと質問をしていきます。
■一方、Aさんの場合、私であれば少し質問をした後に、対等関係ではなく、医者や先生型のアドバイスコンサルの役割に変化して知恵をお伝えするはずです。
なぜ、Aさんの場合には、教えないコンサルティングのスタイルから、通常の医者、先生型モデルへ役割を変化させた方がよいのでしょうか?
医者、先生方モデルのアドバイスコンサルは、ある前提条件が整った場合にのみ、
■説明します。
冒頭のAさんの発言を再度ご覧ください。
A:
「だってね。ありえないでしょう?私は専門家としての知恵をコンサルタントから借りたいんですよ。
たとえば、今だって○○という課題が自社にあって、そのために△△が足りないわけ。
△△があれば、これまで到達できなかった領域にたどり着いて売上げもあがるわけですよ。
だから△△に関する知見を持っている□□なコンサルタントに知見を聞きたいわけ。
ね。教えないとかありえないわけですよ。専門的な知識を聞きたいわけだから。」
■Aさんは、クライアントが何が問題なのか?を把握しています。
また、何が足りていないかも特定できていて、そのために、誰にどのような情報を得ることができればブレイクスルーに至るのか?
■も理解しています。
自分で自社の課題がわかっている人には、医者、先生モデルであるアドバイス型の役割に移行した方がスムーズに成果を出すことができます。
もちろん、コーチング技術を使ってAさんがどういう方法を解決策として検討しているか聞き出し、
整理してあげた上で、コンサルタントの知見をつけくわける役割は有益なのでやってあげたいところです。
■今回問題になっているのは、Aさんのように自社の何が課題なのか?
おそらくほとんどいないでしょう。
大半の方が、上手くいかない状況こそ理解していても、
なぜ、それが生じているのか、
何が必要でコンサルタントに何を聞けばよいのか?
自身で問題が見えていないことの方が普通です。
■クライアントは、困っているからコンサルタントに相談してはいるものの何をどう相談すればわからずにいます。
教えないコンサルを使うことで、何が真の課題であるのか?
■コンサルタントの仕事の8割は、真の課題を見つけるための状況判断に割く必要があるとと私はよくお伝えします。
Aさんの場合、最初の8割は省略できるのですから、役割はアドバイス型に変えた方がブレイクスルーに近づきます。
■Aさんの場合が例外であるということです。
クライアントの状況によって、コンサルタントは役割を変化させていかなければ、適切な対応をすることはできません。
あなたはクライアントに関わるとき、どんな役割を取ればよいか意識していますか?