「寿司でも食いにいこうか?」と言えることが コンサルティングの達人になる秘訣!
by 中村 仁 / 2017.11.16
ネットフリックスでちょくちょく「美味しんぼ」を見てます。
食べ物の番組はいいですねぇー。
食べたくなってきます。
ハンバーガーの回を見ていたときのこと、ある高級な和食料理店の板前がハンバーガーショップを開業するため店をやめました。
高級な和食料理店で働いていると、美味しい味を政財界の一部の人にしか味わってもらえないことが我慢ならなかったそうです。
素晴らしい志です。
店主はハンバーガーショップの開店準備として、良い肉、良い野菜を取り揃えました。
店主:
「これだけ良い材料を揃えたのだからイケル」
お店の開店前日、万野辞して路上でハンバーガーを販売したところ、「美味しくない」と、みんなが突き返してしまったのです。
店主:
「なぜ、他の店のより良い材料を使っているのに美味しくないのか?」
もし、あなたがその答えを知っていたらどうしますか?
言いたくて仕方がなくなってしまわないでしょうか?
美味しんぼの主人公、山岡士郎はおいそれと答えを教えません。
山岡士郎:
「寿司でも食いにいこうか?」
私:
「なんで寿司?」と思ってしまいました。
知り合いの寿司屋に行き、店主とともに下記4種類の寿司を試食することにしたのです。
1.良いネタ×良いシャリ
2.悪いネタ×良いシャリ
3.良いネタ×悪いシャリ
4.悪いネタ×悪いシャリ
4種類の組み合わせの結果、味はどうなるのか?
1.良いネタ×良いシャリ=美味しい
4.悪いネタ×悪いシャリ=まずい
これは当たり前ですね。
2.悪いネタ×良いシャリ
3.良いネタ×悪いシャリ
一見、片方は良いネタ、シャリを使っているから、及第点くらいはつきそうですよね?
でも、寿司の完成度としては、最悪な味になってしまうのだそうです。
山岡士郎:
「ハンバーガーだとどうだろうね?」
店主は、良い肉や野菜を仕入れていたけど、パンについては全くこだわっていませんでした。
3.良いネタ×悪いシャリと同じです。
店主:
「はっ!良い肉を使っているのに、パンが肉の強さを受け止め切れていない。だから、全体の完成度は他の店より悪くなってしまうんだ」
店主は早速学んだことを実施して、パンの仕入れ元を変更しました。
すると、お店は開店直後から大繁盛しました。
寿司で言う1.良いネタ×良いシャリになったわけですね。
どうして美味しんぼの話を長々としたのか?
相手に言われて納得できないことでも、自分で気づけば受け入れられるという具体例を知ってほしかったん
コンサルティングでも同じだと思います。
私は必要な箇所以外、基本アドバイスをしないようにしています。
相手が求めている場合は、アドバイスしますが、たいてい動かないのは想定して伝えています。
社長さんはみんな自分なりに自分の事業に対して思う所があります。
自分の事業だから、一番詳しいし外部の人を呼んでも外部の人の言うことは聞きたくありません。
表向きはそんなとことはないと言いますが、行動は全く逆だったりします。
もし、あなたがそんなクライアントを持ったなら、「パンがダメなんですよ」とハンバーガー屋の店主に言って受け入れてもらえると思いますか?
私は正論なんていいから、先に相手が受け入れられる体制を先に作ることがコンサルティングでは重要だと考えます。
山岡士郎:
「寿司でも食いにいこうか?」
気づいてもらうためには、どのような着眼点を与える必要があるだろうか?
コンサルティングの最中、相手の顔色や表情、しゃべっている内容等、全神経を研ぎすませながら考えています。