「わからないです」と、気兼ねなく言えるコンサルタントになるために
by 中村 仁 / 2017.08.17
「そこのところ、よくわからないので教えてください」
私はコンサルティング中によくこの言葉を使います。
1回は必ず言ってますね。
「えっ、中村さん、コンサルタントがわからないって言ったら、アウトじゃないですか?」
とよく言われるのですが、あなたはどう思いますか?
■もちろん、私も業界のリサーチはしますよ。
コピーライター出身だからヒアリングも人より自信があります。
でも、業界の知識等については、リサーチしてもわからない部分が必ず出てきます。
その際には、恥ずかしがることなく教えてくださいと聞けばいい。
多くのコンサルタントは、「わからない」という言葉を使うことに遠慮があるようです。
なぜでしょう?
聞かれたことにビシッと答えるのが、コンサルタントだと思っているからではないでしょうか。
■もちろん、そのような場合もあります。
クライアントが何が課題か把握していて、誰に何を求めているか明確になっていて前のめりな場合です。
問題解決が目的であれば、アドバイスしてあげた方が目的達成のスピードは早まります。
相手が前のめりであるなら、行動もしますしね。
まぁ、コンサルタントにとってはわからないことの方が多いから、よほど業界を絞らない限り、毎回ビシッとアドバイスするのは難しいでしょうね。
■「わからない」と言えない多くのコンサルタントは、毎月面談が近づくにつれ、
「今月は何を言えばいいかな。もうあらかたアドバイスはしたし・
今月も質問されたら答えられないと、
別の話題も盛り込んで2時間くらいは持つかな・・・
■心身ともに疲弊して泣きたくなりますね(笑)。
初期設定でわからないことをわからないと言っていないと、自分がわかることでお茶をにごす結果になってしまいます。
なぜ、進んでいないのか?に疑問を挟むことなく、また、相手の悩みにフォーカスせず、
■「わからないです。教えて下さい」
この言葉が、クライアントの、そして、あなたのブレイクスルーの始まりとなるかもしれません。
「わからない」と言うことに抵抗があるなら、コンサルティングを始める前に予め伝えておけばいいです。
「あっ、すみません。この業界の知識は勉強してますけど、○○さんの方がご専門なので、
■業界の知識が足りなくても、あなたがクライアントのお困りごとに関して解決できる力を持って
私がコンサルティングを行う際には、コンサルタントとクライアントの双方が現実に対処できるような関係を先に築きます。
つまり、「教えて下さい」と言える関係ですね。
■最初に意識して伝えることは、診断し、治療の段階においても、リーダーシップを発揮するのはコンサルタントではなくクライアントであると双方が認識することです。
■問題を抱えているのはクライアントでありその業界の知識や解決策すら握っているというわけです。
双方でこの点を理解していると、コンサルタントはわからないことをわからないと気兼ねなく聞ける
クライアントは問題解決の支援をしてもらうために、快く教えてあげることができるでしょう。
■きっとクライアントのビジョン実現のための解決策を一緒に考えて次の一歩を見い出すことができるはずです。
お互いが自立した関係にあるわけですね。
アドバイス一辺倒になると、
あなたのセルフイメージが、内容の専門家ではなく過程の促進者(支援者)であるなら
「わからない」と言っても、良い関係が築けると思います。
ぜひ、意識して使ってみてください。